アメリカの有力誌「TIME」によると、2014年のアナログレコード売上は過去20年間で最高を記録したと発表しました。
ウォール・ストリート・ジャーナルでも報じられた内容によると、米国では前年比52%アップの920万枚、英国では約35%アップの120万枚を記録したようです。
ドイツにあるプレス工場では、2015年は1800万枚の生産を予定しているとインタビューで語っており、更にはカルガリーに今年末には新たなプレス工場がオープンを予定しているとのこと。今年もアナログレコードの生産量は世界規模で更に加速する様相を呈しています。
レポートでは、この人気の裏側に潜む要因を分析していますが、やはりレコードの持つサウンドクオリティーの高さを上げています。
特にここ最近10年間のデジタル関連の音楽シーンについては、比較的簡単に、またローコストでデジタル・ミュージック・レーベルを設立することが出来るようになったためにマーケットにサウンド・クオリティーをそれほど重要視しないレーベルが乱立する状況を生んでしまったと指摘します。
一方でアナログ・レコードのレーベルの場合は、レコードの生産に莫大な費用が必要になります。多くの費用を投じた商品に対してシビアなクオリティー・コントロールを要求するのは必然で、そうしたクオリティーの高さを求める音楽リスナーがアナログ・レコードへ転じたとも指摘しています。
また多くの人びとが語っているようにレコードをターンテーブルに載せ、針を落として音楽に聴き入るという一連の行為、体験が若い世代に新しい発見と感動をもたらしているとレポートしています。さらには人間が本来持ち合わせている収集する楽しさがレコードでは際立ちます。自分の部屋の棚にレコードのコレクション増えていく様を眺めているのも楽しさの1つなのです。
デジタル/アナログの音質の優位性については過去から散々議論が交わされて来ていますが、少なくとも私の主観では「長時間聴き続けても疲れないサウンド」であることは確かだと思います。
休日に1日中レコードを聴いていることもありますが、疲れない故に音楽に深く没頭出来ているのではと感じます。
また、「面白さ」という面では、アナログの圧勝だと思います。ターンテーブルは、まさに楽器そのものですし、一手間かけて演奏する作業が音楽の再生に人が参加しているという感覚になります。是非、アナログ未体験の方や、再チャレンジの方もその面白さを楽しんで頂きたいと思います。
いずれにしても、今年はさらに熱いアナログの年になりそうな予感がします。
K