世界最高のプリアンプとも呼ばれるほど高い評価を受け、EARエンスージアスト垂涎の的となった「EAR 912」は、パラヴィチーニが長年に渡って進化を続けてきた「真空管ートランスカップリング」という独自の回路をふんだんに組み込み、入力された全ての音楽を色付けせずにナチュラルに、しかしパラヴィチーニならではの水分をたっぷりと含んだ、それでいて弾力性に富んだシルクのような肌触りの音色/音触にして描き出し、プロスタジオ仕様の最高級プリアンプ(管球式コントロールセンター)として人気を博しています。
「King of Tube」の異名を持つパラヴィチーニは真空管を選ぶ時、まずは真空管の在庫表に目を通します。決してヴィンテージ管や人気の管球にとらわれず、供給量が豊富で、将来的にも安定供給が可能な球をピックアップするのです。つまりパラヴィチーニにとって球の持つ個性よりも、増幅素子としてのアドバンテージがトランジスタよりも真空管の方が多いという広義の理由から真空管を選び、極端な解釈をすれば「真空管であれば何でも良い」とも捉えることができます。
しかし、真空管にはやはり球の持つ個性があり、それが音質や音色に影響を及ぼします。そこで重要になってくるデバイスがトランスフォーマーです。
オーディオバンド用トランスフォーマー造りの世界的権威でもあるパラヴィチーニは、回路設計を行う段階において、目標に定めた音に到達させるために、全てパラヴィチーニ自身が真空管の特性を考慮して手巻きでトランスをデザインします。
一言でトランスと言っても、銅線の材質、ゲージ、ターン数、巻き方の強さ、ターンの重ね方、そして回路との接続方法等々によって出力される音が大きく変化します。
この真空管とトランスフォーマーの無限なるパターンが存在するとも言える中で、マッチングが見事に決まった時に、理想とする音が生まれてくるのです。
この名人の匠とも言える技巧は、一朝一夕に完成されるものではなく、パラヴィチーニのプロの現場で叩き上げられた膨大な量の音楽・音響体験と、世界トップクラスの研ぎすまされた耳を持つプロフェッショナル達を納得させるために、試行錯誤の末に得た長い経験によるノウハウとが組み合わされ成し得られる唯一無二のものなのです。
これらパラヴィチーニ/EARのサウンドの源泉とも言える「真空管ートランスカプリング」の技法を集中的に採用した「EAR 912」のサーキット、真空管、トランスフォーマー、及びMC昇圧トランスを含むフォノステージ(868PL)を惜しみなく投入したモデルが「EAR 868PL/868L」です。
まさにプロ仕様プリアンプである「EAR 912」の絶品の音色がふんだんに楽しめます。
リッチで艷やか、そしてEARならではの奥行きの深さが、美しい音楽の響きを更にエレガントに表現し、新たな感動を呼び覚ましてくれることでしょう。
世界最高峰のプリアンプと呼ばれる程の美しい音色を放つこの「EAR 868PL/868L」の豊潤な調べを是非あなたのリスニングルームでお楽しみ下さい。