EAR Phonobox

アナログこそが音楽再生芸術の最高峰である事を主張するアナログを知り尽くしたパラヴィチーニの奥義が宿るEARのベストセラーフォノステージ。

Designed by Tim and Nevin de Paravicini

 「King of Tube」「King of Analog」の代名詞とも呼ばれるパラヴィチーニは、デジタル系音源やソースが相当発達してきたとは言え、現時点でもアナログレコードの奏でる音楽が、音楽再生芸術の最高峰であると語ります。(ちなみにデジタルがアナログとほぼ同等のクオリティーになるには、最低でも24bit /500KHz 以上は必要と説いています。)

 

そのプロフェッショナルなレコーディング機材の製作やアップグレードモディファイの活動の中には、録音スタジオのマスターテープマシンやアナログレコードのカッティングマシンのヘッドアンプ等も含まれ、音源自体をいい音で録音しソフト側のクオリティーアップにも尽力し多大な功績を残して来ています。

 

高音質で人気の高い「モービル・フィデリティー」のアナログ盤やSACD のリマスタリングにもパラヴィチーニの手が加わった多くの機材が使用されていることは、良く知られています。

 

中でもアナログレコードへ音楽という命を吹きこむ機材であるカッティングマシンにすら精通するオーディオエンジニアは、世界的にも極めて稀有な存在であり、まさに「King of Analog」の称号に相応しい、アナログに対する匠の技と耳と、そして情熱を持ち合わせています。「EAR  Phonobox」は、その素晴らしい音で録音した盤はもちろんのこと、アナログレコードの持つ高い音楽的ポテンシャルを更に感動的にするために、パラヴィチーニが考案した管球式フォノイコライザーの世界のスタンダードモデルと言えるでしょう。そしてあなたのアナログシステムのフォノサウンドグレードを一気に高めてくれることでしょう。

 

「EAR  Phonobox」はRIAAイコライゼーションを有したハイゲインフォノプリアンプです。一般的なCDプレーヤー同様の出力レベルを有しています。「EAR  Phonobox」には3本の13D16 双三極管が使用されています。管球式フォノサーキットは、本質的にヴォリュームを上げていくと聴こえてくる「チューブ・ラッシュ」と呼ばれるヒスノイズを持っているために、ゲインがある程度限定されてきます。これは出力の高いMM カートリッジの場合は、ほとんど問題ありませんが、オーディオファイルが好む出力の低いMC カートリッジの場合はゲインが不足がちになります。そして多くのエンジニア/デザイナーが、音質クオリティーを妥協せずにゲインを上昇させるためのジレンマに陥ります。

 

一般的に真空管を追加してゲインステージを増やすとノイズ問題が悪化します。この問題を解決するためにしばしば採用される方法は、トランジスタを入力段に使用して、増幅してからチューブセクションへ送りS/Nを改善する「ハイブリッド」タイプがあります。

 

もう1つは、MC カートリッジの出力が低い場合に電流量を驚くほど高くするという方法です。この場合には、ノイズレベルを低く保ったまま、この電流を電圧ゲインに変換するための優秀なトランスフォーマーが必要不可欠になります。

 

「EAR Phonobox」にはパラヴィチーニがデザインした独自のトロイダルトランスフォーマーが使用され、管球式フォノイコライザーとして極めて優秀な静寂性を実現しました。また、音質劣化を防ぐためにサーキットは可能な限りシンプルに、配線関係も極力短くし、RCA ジャックもPC ボードにダイレクトマウントされます。標準装備として、ヴォリュームコントロールが追加され、ダイレクトにパワーアンプを駆動し、一番心地の良いレベルを簡単に探ることができ、よりピュアなサウンドが楽しめるようになりました。

 

こうしてパラヴィチーニ/EAR 製品の特徴である静けさの中から生まれる、ナチュラルでダイナミックで、そして深い奥行き感のある立体的なサウンドステージが楽しめるように配慮され、ソリッドでタイトなベース、速く透明なトップ、そしてエモーショナルで水分を豊富に含んだようなミッドレンジがハーモニーの中で絶妙なスペクトラムを展開し、特にストリングスやヴォーカル等のミッドレンジを主体としたサウンドに対するディテールや雰囲気の表現が魅力的に描き出されるようにデザインされています。

 

「良いデザインの秘訣は、1番高いパーツを使用することではなく、コストに見合った部品で、それ以上のクオリティーを持つ音楽を奏でられることだ。」

 

アウトデザインは、Nevin de Paravicini によるものです。薄型デザインに進化したコンパクト、シンプルかつ美しいデザインも大きな魅力です。これは、真空管を縦置きではなく、横置きにすることが絶対条件でしたが、これにより他のパーツを干渉することなく配置しなければなりませんでした。美しさを追及することは、簡単ではありません。試行錯誤を繰り返してようやく完成することができました。

 

アナログ本来の響きを知り尽くしたEAR社が贈るハイコストパフォーマンスフォノイコライザーの小さな巨人「EAR  Phonobox」が、貴方の愛聴盤から更なる感動を紡ぎ出すことでしょう。


  • 仕様
    • 40 Ω仕様 (1:10 ステップアップトランス内蔵): Clearaudio 等の高出力カートリッジ用
    • 5 Ω仕様 (1:20 ステップアップトランス内蔵): Ortofon SPU 等の低出力カートリッジ用

∗Phonobox MM/MC Black/De-Luxeは 40Ωが標準仕様となっており、仕様の場合は別途費用が必要となります。

  •  発売予定日
    • Black タイプ: 2019年6月上旬
    • De-Luxe タイプ: 2019月7月中旬 

∗これに伴い、長年愛されてきましたEAR834Pは製造中止となります。


Specifications

・入力感度:

・最大出力:

・S/N 比 (フォノ):

・使用真空管:

・電源:

・サイズ (突起物含まず):

・重量:

MM 2.2 mV / MC 0.22 mV  (40 Ω)

14 V

-80 dB (IHF)

13D16 X 3

AC100 V 50/60 Hz

W 180 x D 285 x H 65 (mm)

約 3kg